2021.05.28

浜名高校 校歌制定


昭和31年(1956)、今から65年前に浜名高校の校歌が制定された。

校歌の思い出 第9回 本間美代子(旧姓熊谷)
遠江・遠の湖ばら・・・に始まる我が母校の校歌。そう、あれは私が3年生の時、当時生徒会の役員をやらせていただいた時で、鈴木周一先生と、生徒会長の富永泰正さんと3人で、貴布称の繁華街に位置している旅館「朝陽館」の一室で、作詞者である「三好達治先生」にお逢いした時の事でした。先生は当時、堀辰雄、梶井基次郎と共に、現代文学全集の刊行、及び現代随想集「三好達治・吉川幸次郎、大山定一集」を刊行等、とてもお忙しい時期でしたのに、我が母校の校歌を作詞してくださるなんて、半信半疑で周一先生にただついていった様に思います。今にして思えば、昭和31年、三好先生は55 ~ 56才位の頃だったでしょうか。高校生の私の目には、無口なおじさんと言う印象でした。しかし、当時日本を代表する詩人に、直接お逢いできた感動と喜びは、何と表現したら良いかわかりません。と同時に、私達が在籍している今、新しい校歌ができたんだという実感は、今も光栄に思い誇りに思っております。又、作曲は確か浜松北高校の校歌を作曲なさった、諸井三郎先生が担当して下さったと記憶しております。当時の偉大なお二方の手による校歌を!!最初耳にした時は、何かオペラを聞いているような、優しくそして又、新しい形式の校歌だなぁと言う感じでしたが、何度も聞いているうち、しみじみ良い校歌だなぁと思う様になりました。新しい浜名高校へと踏み出した第一歩が丁度3年生の時に当たり、最も変化の兆しが合った時、そして動き始めた時に、最後の一年間を過せました事。多くの体験をさせていただきました事、深謝いたしております。

三好達治先生の詩より
「雪」
太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。
(昭和31年度卒業)

昭和32年 三好達治氏が浜名高校に来校された際に、書かれたものです。