2020.09.04

3年生引退試合・新チーム始動

高校総体が中止となり、学校内で引退試合を行いました。

引退を迎えた、今井奈津(部長)の言葉。
 「西部大会2位」この目標は、新チームスタートと同時にみんなで決めた目標。全国大会を目指す人、東海大会を目指す人にとったらちっぽけな目標なのかもしれない。しかし、私たちにとってはこれ以上ない目標。胸を張って言える。浜名高校で出会い、苦楽を共にした仲間や先生と「西部2位」になるために必死だった。バドミントンに夢中になった2年間。西部2位になりたくて本気になった2年間。引退した今思うことを振り返っていく。
 新チームになってすぐにチームがまとまるはずもなく、一人ひとりの意識が“変わる”までには時間がかかった。初めのうちは言われたメニューを言われた通りにやる人ばかりだった。目の前の練習を「やれ」と言われたからやるという“こなす練習”では、全く意味がない。練習の意図を考え、それぞれのポイントを意識しながら練習に取り組むこと。これが練習をする上で何よりも大切なことだと思う。全員が共通理解することでお互いを高め合える。徐々にではあったが、部活の雰囲気と練習に対する姿勢に変化が出てきた。一人ひとりの意識が変わった証拠だと思う。私自身が“変わる”のも時間がかかった。初めは部のことを全て自分1人でやろうとした。なるべくみんなに負担をかけないことだけを考えていた。でもそれは間違っていた。大事なことを見失っていた。それは「一人ではないということ」。仲間を頼り、先生方の力を借りること。この頃の私には欠けていた部分だった。自分の考えを口に出して伝えること。周りの意見を聞くこと。簡単なことかもしれないがとても大切なことだと思った。先生もいるし仲間もいる。「人はそう簡単に変われない、だが変わろうと努力することは誰にでもできる」。この言葉の通りだと思った。気が付けばみんなの気持ちはひとつだった。一人ひとりの意識も変わった。本気で「西部2位」になれる。そう思った。
 先輩が引退してからちょうど1年が経った、5月12日。西部大会の中止が発表された。頭が真っ白になり目の前が真っ暗になった。理由は新型コロナウイルス感染拡大防止のため。3月から部活動中止、さらに休校となっており、この発表も休校中だった。覚悟していたとはいえ、現実を突きつけられると苦しかった。「西部大会2位」を目標とし、結果を追い続けた2年間。結果を出し“先生方に恩返しをしたい”“勝ってみんなと喜びたい”そんな思いを胸に練習してきた私にとっては、受け入れられない、むしろ、受け入れたくない現実だった。しかし、結果を出す舞台がなくなった今、私がたどり着いた答えは「これまでの過程全てが結果だということ」。仲間と「西部2位になる」、先生を「西部2位にする」ために全力を尽くした毎日は変わることのない事実。受け入れるしかなかった。それでも、周りの人の言葉に耳を傾けるまで、時間がかかった。いろんな人の支えがあり6月21日に引退試合を行うことができた。浜名高校女子バドミントン部として最後の活動日。私たちのために準備をしてくれた後輩たち、私たちの意志を最後まで尊重してくださった先生方、“いつも”とは違う形での引退となったけれど、一生忘れることのできない1日となった。関わってくださった全ての人に感謝をしたい。
 「部活動」それは「いろんな経験ができる」「いろんな人に出会える」そしてなにより、「自分自身が大きく変われる」「人として成長できる」そんな場所であり、他には変えることのできないかけがえのない時間だった。浜名の女子バドミントン部に入ったからこそできた経験があり、誰よりも強くなりたいと思い、頑張り続けたから見ることのできた景色がある。浜名の女子バドミントン部に入ったから出会えた人がいる。“本気”だから悩むこともあった。苦しいこともあった。悔しいと思えたことは数えきれないほどある。 この苦しみや悔しさは経験した人にしかわからない。でも、“本気”だからその苦しみを乗り越えられた。勝ったときの喜びはとてつもなく大きかった。苦しいとき、声をかけ続けてくれる仲間がいるから頑張れた。力となり支え続けてくれる先生がいるから強くなれた。当たり前じゃない。当たり前なんてない。部活が私にそう教えてくれた。部活を通して強くもなれた。「変わろうと努力すること」。これは「自分の限界をつくらないこと」だと思う。この気持ちを忘れることなくこれから先も生きていく。成長させてくれた部活には感謝しかない。

現在は新チームとなり、9月に行われる新人戦に向けて練習をしています。
今後とも応援よろしくお願いします。