2020.07.18

令和2年度 「浜名高校だより ~風をとらえて~ Take Wing!」 巻頭言

            「Let’s go!!」そして「go for it!」
                「志はるか」な未来へ

 浜名高校の校訓「志はるかなれこそ 若き日をかくこそ惜しめ」は、詩人三好達治作詞の校歌の一節からとったもので、本校の教育目標「高きを求めて文武両道に励む」を象徴しています。
 今年度作成したクリアファイルには、そんな浜名高校で学ぶ生徒たちの様子が象徴的に描かれています。黒板でできた道、黒板消しの店は楽しく充実した学びの環境であり、木にたわわに実ったボールや音符は部活動や生徒会活動の充実や成果の実りです。HAMANAの文字に描かれるのは、文武両道に励みながらも伸び伸びと個性を磨き、憩いながら、かけがえのない高校時代の時を楽しむ生徒たちの表情。そして「Let’s go!!」と、赤い大きな靴による歩みは、仲間と共に地に足をつけ、夢の実現のために着実に歩もうとの意志の表れです。
 5月末、そんな浜名高生の息吹が学校に戻ってきました。朝の凛とした雰囲気の中で始まる課外学習や朝読書。落ち着いた中にも真剣なまなざしに溢れた授業。放課後の、仲間と共に力を入れる部活動・生徒会活動。同じく放課後等の進路実現に向けて黙々と励む自主学習。そして、かけがえのない友との語らい。それら一つ一つに、生徒の誠実さに、そして、校内を行き交う明るくさわやかな笑顔や挨拶に、改めて、教員であることの喜びと幸せを感じています。

休業期間中には、本校同窓会から、「go for it! 今、困難な時を皆で乗り越えよう!」との横断幕や一人一人へのクリアファイルも届けられました。創立百八年目を迎える本校は、同窓会や地域からの力強い応援に支えられています。心強く温かいエールを受け止めながら、これまで以上に日々の学校生活を大切に、学校全体で「挑戦」をキーワードに前を向いて進んでいます。
 さて、今年度も入学式で、「未見の我」に出会うことを生徒たちに呼びかけました。「未見の我」は、幕末の動乱期に、長州藩士で松下村塾を開いた吉田松陰が、後に明治維新につながる重要な働きをし、新しい時代を創っていった弟子たちに語ったとされる言葉です。「いまだ見たことのなかった自分を目指しなさい。心は熱く、本気でやってみなさい。必ず達成します。運命を創りなさい」との内容であったと伝えられています。言い換えると、毎日をなんとなく過ごすのでは「未見の我」に気づくことはできない。「未見の我」に気づくためには、何かに本気で取り組み、外からの刺激に触れて、自分自身を見つめ直さなければならない。本気で取り組むときにこそ、自分の中に眠っている才能が発揮される。成功であれ、失敗であれ、いまだ見ぬ自分に出会えたときに、人は感動し成長することができる、との意味だと解釈されています。
 浜名高校は、そんな「未見の我」に出会うことのできる学校です。そして、この困難な時を乗り越え、新しい「令和」の時代を切り拓き、リーダーシップをとって活躍すべき浜名高生たちです。「Let’s go!!」そして「go for it!」。生徒の成長を願い支える熱心な先生方と素直でよく努力する仲間とともに過ごす、かけがえのない本気の「若き日」が、「未見の我」に出会い、一人一人の「志はるか」な未来へとつながっていると確信しています。