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平成三十年度 入学式 式辞
平成三十年度 入学式 式辞
春、今年もまた、豊かな自然が織りなすその息吹きの中に、成長と躍動が感じられる季節となりました。本日、ここに、平成三十年度 静岡県立 浜名 高等学校 入学式を挙行するにあたり、公私ともに御多忙の中、多数の御来賓の皆様、並びに保護者の皆様方の御臨席を賜り、かくも盛大な入学式を挙行できますこと、教職員を代表いたしまして、心より御礼申し上げます。
ただいま入学を許可いたしました、三六九名の新入生の皆さん、入学おめでとう。
また、保護者の皆様には、お子様が、入学試験という大きな成長の節目を乗り越え、この浜名高校に入学されましたこと、心からお祝いを申し上げます。
さて、本校は、ここ浜北の地に、百年を超える歴史を有する伝統校です。卒業生は二万六千人以上を数え、創立以来これまで、一貫して、地域はもとより、広く社会を支える有意な人材を輩出する高等学校として、大きな期待が寄せられてきました。
詩人 三好達治 先生の作詞による校歌の一節でもある、校訓「志はるかなれこそ 若き日をかくこそ惜しめ」は、これら卒業生の皆様方が、連綿と築き上げてきた、「文武両道」「躍進浜名」に象徴される、本校の誇る伝統や校風の礎となるものです。
新入生の皆さんは、この校訓のもと、本校が教育目標として掲げる『高きを求めて文武両道に励み、「輝く知性、細やかな感性、強い意思、たくましい体」を有する「志を持った心豊かな人間」への成長を目指して、今日から、高校生活の第一歩を踏み出すこととなります。是非、この浜名高校で、自らの将来に向けて、充実した高校生活を送って欲しいと願います。
そのためにも、今日は、皆さんに、高校生活の中で、ぜひ、実践してほしい、また目標としてほしい三つのことをお伝えします。
第一は、「主体的に学ぶ」ということです。
高校生の本分は何といっても勉学ですが、受け身の姿勢では、変化の激しいこれからの時代を生きていくために必要とされる、真の学力は身に付きません。まず自らの可能性を信じること、その上で自らの目標や課題を明確にして、自ら進んで学ぶ姿勢を大切に、日々の授業に取り組んでください。そして、三年間の高校生活の中で、この「主体的に学ぶ」ということを通して、生涯にわたり、継続して自分自身を高めていくための、自分なりの自分ならではの“知の土台”を、しっかりと作り上げてほしいと思います。
第二は、「人との出会いや繋がりを大切にする」ということです。
人の一生の中でも、最も多感で、しかも、著しい成長期にあるといわれる高校時代に得た仲間、友人、恩師と出会いや繋がりは、間違いなく、皆さんの、その後の人生における貴重な財産となります。また、このことこそ、高校生活を送る上での一つの大きな醍醐味といっても過言ではありません。そのためにも、「人との出会いや繋がりを大切にする」姿勢を持って、学習をはじめ、部活動や学校行事などに、積極的、真剣に取り組んでください。
第三は、「こころざしをもつこと」です。
つまるところ、人は、心の深いところで自分が描いている自分にしかなれません。人の人生のなかで、最も大切なことは、「こころざし」、言い換えれば「大きな夢」を持つこと、そして、その実現を確信することです。このことに関連して、幕末に「松下村塾」を開き、多くの人材を育て、維新回天に多大な貢献をしたとされる、吉田松陰 が残した言葉を紹介したいと思います。それは、「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし」というものです。新入生の皆さんは、どうかこの言葉の通り、本校に入学したことだけに満足をせず、また自分自身の中に限界や壁を作らず、今日から始まる高校生活の中で、自己の将来に向けた「こころざし」、つまりは「大きな夢」を育て、持ち続けて欲しいと思います。
以上、「主体的に学ぶこと」、「人との出会いや繋がりを大切にすること」「こころざしをもつこと」、三つの目標をお伝えしましたが、何よりも、高校生としての、さらには人としての品格を大切にして、またこの浜名高校の生徒であることを誇りに思って、今日からの、高校生活をスタートしてください。
保護者の皆様、
お子様たちは、今日より本校での教育活動を通して、自立への道を歩むことになります。
「自ら考え、自ら判断し、自ら行動できる たくましい若者に育ってほしい」という思いは、保護者の皆様はもちろんのこと、私たち教職員の願いでもあります。そのためには、家庭と学校の双方が、その役割を認識し、協力しながら、お子様の教育に取り組んでまいりたいと考えております。御理解と御協力をお願い申し上げます。結びに当たり、新入生の皆さんの三年間が、実り多いものとなり、本日が、その将来の夢を実現させる力強い第一歩になることを願うとともに、御列席いただきました皆様の、本校への格別なる御支援をお願い申し上げ、式辞といたします。
平成三十年四月六日
静岡県立 浜名 高等学校
校長 加 藤 洋 一