2018.04.08

定時制入学式


平成三十年度 入学式 式辞

春のこの次期に降る雨は桜雨、又は桜流しとも言われますが、そんな季節の移ろいを表す言葉が似合う今日の佳き日、多数の御来賓の皆様、並びに保護者の皆様の御臨席を賜り、ここに、平成三十年度 静岡県立浜名高等学校・定時制課程 入学式を挙行できますことは、私ども教職員一同、大きな喜びでございます。こころより厚く御礼申し上げます。
ただいま入学を許可いたしました、二十七名の新入生の皆さん、入学おめでとう。私たち教職員をはじめ、在校生一同、皆さんの入学を心から祝福し、歓迎いたします。また、保護者の皆様におかれましては、お子様が、本校に御入学されますこと、心からお祝い申し上げますとともに、この日を迎えるまでの数々の御苦労に、心から敬意を表します。
さて、本校は、ここ浜北の地に、百年を超える歴史を有する伝統校です。
定時制課程は、昭和二十三年に設置され、これまで多くの有為な人材を広く社会に輩出してまいりました。詩人 三好達治 先生が作詞された校歌の一節でもある、校訓「志はるかなれこそ 若き日をかくこそ惜しめ」のもとに学んだ多くの先輩たちは、地域はもとより、県内外において幅広く活躍されており、本校定時制課程の誇りとするところであります。
新入生の皆さんには、是非、この浜名高校で、自らの将来に向けて、充実した高校生活を送って欲しいと願います。そのためにも、高校生活のスタートに当たり、今日は、私から皆さんにお願いしておきたい、三つのことをお伝えします。
まず一つ目は、「自分の可能性を信じよう」ということです。
皆さん一人ひとりには、自分でも気づいていないような優れた個性や才能、つまりは長所、もっと具体的に言えば“いいところ”が必ずあります。まずそのことを信じてください。とは言っても、中には、これまでの様々な経験や今現在向き合っている困難から、この自分自身の“いいところ”を見つけることにためらっている人やその存在が信じられないという人もいるかもしれません。実は、皆さんの先輩たちもそうでした。しかしながら、定時制課程ならではの丁寧な授業、また強い絆で結ばれた同級生や先輩の存在、さらには信頼できる先生たちとの出会いによって、いつしか、この自分自身で作っていた壁を取り除いたり、乗り越えたりした人たちが多くいます。そのような先輩たちは皆、人として立派に成長して本校を卒業していきました。まず「自分の可能性を信じよう」、そして自分の「いいところ」を見つけて、できればそれを伸ばそうとすること、それを高校生活の目標としてください。
次に、2つ目は、「笑顔で挨拶しよう」ということです。
学校生活を送る上で、まず大切なのが、より良い人間関係を作ることです。そして、人間関係作りの第一歩は、なんといっても挨拶です。「おはようございます」、「こんにちは」、元気な挨拶は気持ちがいいものです。友達同士で、先生方、家族、そして仕事をしている人は職場の人たちと、自ら進んで挨拶をしましょう。きちんとした挨拶ができることは、人としてなによりも立派で尊いことです。元気な挨拶、笑顔の挨拶、よろしくお願いします。そして、この挨拶によって、同級生、先輩、先生方、職場の方々と豊かな人間関係を築き、高校生活の中で、生涯の友、生涯の師(先生)、を見つけてください。
3つ目は、「全員で卒業しよう」ということです。
夜、通い続け、学び続けることは大変な苦労ですが、「全員で卒業しよう」を合言葉に、みんなで励ましあい支えあって頑張れば、どんな苦しみも、楽しみに変えることができます。そして、高等学校を卒業することの重みや学んだことの大切さは、皆さんが卒業して社会人となったときに改めて実感するはずです。高等学校の卒業証書は、皆さんが生きる上での自信となり、大きな財産となります。皆さん全員で卒業を迎えていただきたいと思います。
以上、お願いしました「自分の可能性を信じる」、「笑顔の挨拶」、「全員で卒業」の3つのことを胸に刻みながら、これから先、毎日の勉強や部活動、学校行事に励んでいただきたいと思います。 今日の喜びを忘れず、「明るく・楽しく・元気よく」、そして、心身健康で有意義な高校生活を送ることを、心から期待しています。
結びになりますが、保護者の皆様にお願いを申し上げます。本日お預かりいたしましたお子さまの教育には、教職員一同、全力を尽くして当たってまいる所存でございます。どうか、保護者の皆様におかれましても、学校への力強いご支援・ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
本日の入学式に当たり、新入生の皆さんの三年間が、実り多いものとなり、将来の夢を実現させる力強い第一歩になることを願うとともに、本日御列席いただきました皆様の、本校への格別なる御支援をお願い申し上げ、式辞といたします。


平成三十年四月六日
静岡県立浜名高等学校
校長 加藤 洋一