2017.05.17

浜名高校 校歌斉唱


遠州鉄道の赤電に乗って浜名高校に通う私たちが三年になる頃、
バスロータリーがありほぼ始発駅である遠鉄浜松から電車に乗っ
た私たちはちょっと厳しいクラブの伝統を目にします。

当時の運動部は一年生は奴隷、二年は人間、三年生は神様とい
った風潮がまだ色濃く残っていました。

電車に乗り同級生のサッカー部と並んで座ります。
そこへ駅ごとに後輩の部員が乗車してきます。後輩は電車に乗
るなり、見える限りの先輩に大きな声で「ウーッス」というよ
な挨拶をします。

すると他にたくさん乗っている生徒の前で同級生はその後輩を
呼びつけます。

「校歌斉唱!」命令一過、後輩は電車の中で校歌を大声で歌う
のです。

クスクスと笑うものの中で一年や二年のサッカー部員は歌いつ
づけます。もちろんその姿は命令した同級生の去年の一昨年の
姿なのでした。

当時強かったサッカー部員は浜松を含めたさまざまな学校から
集められていました。通学はほとんど電車ですからこんなこと
もあったのです。

それでもサッカー部は学校の誇りです。朝から気合を入れられ
ていた後輩は私たちの学校の伝統と強さを継承してくれた者た
ちでした。