2016.11.06

第100回日本選手権リレー優勝 今シーズンの最後を飾る


 日本選手権リレー五連覇を目指して臨んだ男子のマイル。早大は予選からいきなり苦戦を強いられる。エースである加藤修也(スポ3=静岡・浜名)を温存するとともに、来季を見据えてルーキーの西久保達也(スポ1=埼玉・聖望学園)を起用したが、結果はまさかの組3着に。タイム順で拾われての決勝進出となり、九死に一生を得るかたちとなった。迎えた決勝、1走を務めたのは今大会がエンジを着ての最後の試合となった愛敬彰太郎主将(スポ4=三重・桑名)だ。これまで早大のマイルを支えてきた愛敬が気迫あふれる好走を見せ、上位でレースを進める。予選とはメンバーが変わり、2走に入った徳山黎(スポ3=神奈川・相洋)は序盤から積極的な走りを展開し、バックストレートで好位置を奪取。最終コーナーを抜けて1位に躍り出ると、最後まで粘りきって次走者へとつないだ。3走の石田裕介(スポ3=千葉・市船橋)は一時、大東大に抜かれるも相手の真後ろに位置取り機会をうかがう。そしてホームストレートに入ると一気にギアチェンジ。4走を務めた予選では最後の競り合いに勝ちきれなかった石田だが、決勝ではしっかりと抜き返し、バトンはトップで4走へと渡る。アンカーを託されたのは早大の絶対的エース、加藤。後続をまったく寄せ付けない圧巻の走りを見せ、1位でフィニッシュラインを駆け抜けた。この結果早大は見事にマイル五連覇を達成。全カレで7位に終わった雪辱を果たした。
 愛敬主将の引退レースに花を添え、今シーズンを笑顔で締めくくったマイルメンバー。決勝に出場した選手の内、愛敬主将を除く3人は来季もチームに残る。若いチームは鍛練の冬を経て、来春さらに成長した姿を見せてくれることだろう。


加藤修也(スポ3=静岡・浜名)
――マイルで優勝しての感想はいかがですか
とりあえずうれしいというのが一番です。ずっと1位を取ってきた大会だったので、負けられないという気持ちがありました。今季全カレで(このチームが)負けてしまったので、愛敬さん(彰太郎、スポ4=三重・桑名)、中野さん(直哉、スポ4=長野吉田)が最後という事もあり勝たせたいという気持ちが強かったです。
――走り自体を振り返っていかがですか
足が動いていましたが、アップの段階で上半身と下半身の動きが少しずれているかなというところがありました。(走っている最中は)周りが見えなかったこともあって自分が動けていたか分からないこともあるのですが、結果的に最後まであまり落ちずに走れたので、レースとしては良かったかなと思います。
――4走に起用されたという点はいかがですか
当初の予定ではアンカーではなかったので、単純な驚きはありました。でも僕が競技力で引っ張っていかなきゃいけない、むしろ最後勝てばいいと思ったので、そういう意味では割り切って走ることができたかなと思います。
――1位でバトンをもらったときは、勝てるとは思いましたか
トップで渡してくれたので、「勝たないわけにはいかないな」とは思いました。さすがにここで抜かれて負けたら、もう大学帰れないですね(笑)。
――今シーズンの大きな大会はこれで一区切りだと思いますが、来シーズンの目標、イメージはありますか
まだ冬季のメニューも決まっていませんし、大学のチームの幹部の交代もまだなので、細かいところはそこで決まると思います。一番の目標は東京オリンピックだと思うので、そのために来シーズンどうするかは監督と話し合おうと思います。
――具体的にいうと、来年の世界選手権などは
そうですね、世界選手権は頭に置いています。あと去年ユニバーシアードで、ケガということもあって悔しい思いというか迷惑をかけたのがあったので、それに一つ思い入れを持って取り組みたいなと思います。
――ことし一年を振り返ってみて
ことしは悔しい一年でした。1つ下の二人の存在が、嫌じゃないですけど、頼もしいと思う部分もありましたが、単純に僕より強かったなと思います。あとことしは勝ち癖がついていなかったと思います。そういう意味では今回1位でゴールしてシーズンを終えられるのは良かったかなと思います。いい気分で冬季練習にいきたいと思います。
――加藤選手は後半型ですが、前半も工夫して速く走る走りを目指していたと思います。それに向けての完成度は、ことしは全然という事ですか
それは見てもらったら分かると思うのですが、全然でした。『前半いく』という感覚を持っていなくても前半出れるというのが理想なので。そこの境地にはまだ達していなかったです。今回は後半に勝つレースをしました。
――マイルの予選に出られなかった意図とは
それは監督の采配というのが一番です。春先チームをずっと引っ張ってくれていた中野さんの調子があまりよくなかったり、愛敬さんもいままでケガで苦しんでいたりしましたし、僕以外がどういう状況かはっきり分かっていなかったのもあって。その中で石田(裕介、スポ3=千葉・市船橋)が良かったり、西久保(達也、スポ1=埼玉・聖望学園)も国体で勝ちましたし、他の人を試したかったというのがあるのかもしれないです。かもしれない、ここは強調したいです(笑)。