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赤電の思い出
浜松方面から天竜方面から浜名高校へ通う生徒は遠州鉄道「通称
赤電」の小林駅で降ります。学校から少し北にある小さな駅です。
浜松から越境組はほとんどこの電車に乗って通学していました。
当時の浜松は北へ北へと住宅地を伸ばしていましたから沿線には
学生がたくさん住んでいます。そのほとんどが通学のため浜松中
心部を目指して電車に乗ってきます。
浜名高校生は逆に北への電車に乗るのです。
私は今のクリエート浜松あたりにあった遠鉄浜松駅を利用して
赤電に乗って通学しました。ここには現在のJR浜松駅に移転した
バスロータリーがあり、多くの高校生が利用する駅でした。
駅には当時浜松ではあまりなかった「駅ソバ」がありました。
他高生たちと立ったまま湯気をあげるかけソバの濃い汁の味を
覚えています。
遠鉄浜松駅から小林駅までは30分程度の乗車時間であったと覚え
ています。
この駅でも数人が乗り、駅に着くごとに乗車する浜名高校生が増
えていきます。越境組でも高校に近くなるごとに増えるのは当然、
逆に小林駅に近づけば自転車通学が増えますから乗車は減るので
す。
今は高架が完成し、途中の駅の風情は変わりましたが、まだまだ
自然が多かった当時は四季の田園の様子を見て過ごす通学時間で
した。
今でも電車に乗った当時の駅名とそのつながりを覚えていて土地
勘が働きます。
浜北に行けば同級生や同窓生の家がある土地名を覚えていて、な
んとなく通行の得意感があるのです。
辞書まで鞄に入れていた一年生時代が終わり、やがて私たちの鞄
は薄くなっていきます。その薄い鞄を抱えて通った赤電の通学に
もたくさんの思い出があります。
浜松から小林駅までの赤電の旅、また辿ってみたいと思います。